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人工呼吸器ケア

人工呼吸器の取り扱いと見方

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人工呼吸器の各部位の名称

実際の呼吸器の画像をもとに、日々の点検・チェックポイント、どこの数値をみていけばいいのかを紹介します。

画像の呼吸器は日本光電が販売している、ハミルトンG5という機種です。(添付文書)

人工呼吸器設定の確認をする

引き継ぎ時や、装着時に医師の呼吸器設定指示と相違がないか確認をする必要があります。

画像のP-SIMVのモードでは、呼吸回数、吸気圧、PEEP、酸素濃度、吸気時間、サポート圧の設定を行う必要があり、これを指示簿と読み合わせて確認をします。

吸気立ち上がり、トリガーは呼吸器との同調が困難な時くらいしか操作されないため、初期設定値のままの事が今いる施設では多いです。

こちらはハミルトンG5に備わっているモードでASVモードの設定画面です。

身長を入力すると、自動で理想体重が設定されます。体重に合わせた至適な換気を行おうと機械自体が呼吸回数や一回換気量を変化させる事ができます。

次の画面はアラームの設定画面です。

医師の指示があれば指示通りに設定します。タッチパネルで選択をして、ノブを回してノブを押し込むと設定の変更が可能です。

呼吸器の電源や回路が正しく接続されているかを確認する

まずは人工呼吸器と加湿器の電源プラグは自家発電コンセントに繋がっているかを確認します。この機種はバッテリーも積まれていますが、誤ってコンセントを抜かないようラベリングするなどの工夫も良いでしょう。

また、酸素・空気配管がパイピングに装着されているかを確認します。配管は色分けされており、それぞれが間違えて装着されないように差し込み口の形状が違います。

回路の接続と破損がないかを確認する

吸気側に青い蛇管が装着され、呼気側に白い蛇管が装着されています。蛇管の色は機種によっても、施設によっても違いますが、通常は色分けされていることが多いです。また、回路には圧力や流量を感知する管が着いています。ハミルトンG5ではフローセンサーチューブという2色の細いチューブが接続されます。

回路の確認時は、目視かつ吸気側から手を添えて空気漏れや破損がないか、接続が外れていないかを、患者、呼吸側へと順を追って確認します。

加湿器の電源と、蒸留水の残量を確認する

次に加湿器用蒸留水の残量と加湿器本体の水位が正しい位置にあるか確認します。

※加湿器の確認の際は人工鼻が併用されていないかを確認します。

実は人工呼吸器回路に取り付ける人工鼻があり、人工鼻使用時は加湿器の使用が禁忌となります。加湿によりフィルターが目詰まりしてしまい、回路が閉塞してしまうためです。

アラームの表示

次にアラームの表示についてですが、中等度が黄色、高アラームが赤色で表示されるようになっています。画面だけの表示ではなく、ディスプレイ上部の点灯とアラーム音で知られてくれます。アラームを振りかえる場合はℹ︎を押すと履歴が見れます。

呼吸実測値の表示

左端には呼吸器実測値が表示されています。今現在の換気量や呼吸回数を知ることができます。

また、ハミルトンG5のモニターには、肺のコンプライアンスを視覚的に表示できる機能があります。肺の図の下に見える半月のマークは横隔膜を表しており、自発呼吸がある場合に表示されます。

呼吸器グラフィックモニターの見方

グラフィック波形には気道内圧を表す波形と空気流速を表す2があります。波形の画像はベネット840の機種に寄せて作成しています。呼吸器により表示される色は違いますが、波形の形は同じです。

呼吸器グラフィック基本波形

自発呼吸の場合、PS(プレッシャーサポート)を付加している場合が多いですが、PSサポート分の圧波形が上に凸となります。

呼吸器波形はベネット840をモデルにしました。ベネット840の場合、機械換気は緑、自発呼吸は赤で表示されます。

呼吸器グラフィック PSV

異常なグラフィックの例

2段呼吸

換気量が足らず、直後に2回目の換気が始まっている状態。

⇒換気量、圧の設定を上げていく。

PVC 圧波形 2段呼吸

吸気努力が上回っている波形

吸気流速が患者の吸気努力より小さい状態。

⇒吸気流速を早めることで対処する。

VCV 圧波形 吸気努力

基線がギザギザしている波形

呼吸回路に何らかの障害物がある状態。(痰や結露など)

⇒結露の除去や吸引などを実施する。

PVC 流速波形 軌道内分泌物

ミストリガー

吸気努力があるが、呼吸器が感知せず呼吸が開始されない状態。

⇒トリガー感度を変更する。

PVC 圧波形 ミストリガー

air trap(auto PEEP)

呼気終了後も基線が0にならず肺に空気が残っている状態。(圧損傷・容量が生じる恐れ)

⇒呼気時間を長くする、呼吸回数を減らす、(漸減波から矩形波へ変更する)

VCV 流速波形 air trap

終わりに

呼吸器の実際の扱い方、ディスプレイの表示は機種により違います。波形が表示されない機種もあります。しかし、呼吸器の日常点検や観察ポイントは大きく変わりません。施設にあるマニュアルやガイドに沿って扱えるようになりましょう。

関連するYouTubeの動画を紹介します。

岡井さんの動画

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ABOUT ME
azuki
某大学病院の一般病棟・集中治療室で十数年の勤務経験あり。特定行為に係る研修制度を履修。休日は子どもたち3人と遊んでいます。 このブログでは広く浅くをパッと調べる目的で始めました。休憩時間や通勤時間にでも見てもらえるツールになればと、不定期更新を続けたいと思っています。 また、今やネットサイトやYouTubeからでも手軽に勉強できる時代になりました。分かりやすいと思ったものはどんどん紹介していこうと思います。

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