人工呼吸器の動作(モード)について
呼吸器の勉強を進めているといろいろなモードがあり、言葉があり、混乱する一つのポイントだと思っています。しかし、人工呼吸器は呼吸の足りない部分を補っているに過ぎません。特殊なモードはありますが、基本的には自発呼吸をサポートしているか、機械が強制的に換気をしているかの2つのモードで成り立ってます。
- 強制(機械)換気はA/C(アシストコントロール)
- 自発呼吸はCPAP
- 機械換気と自発呼吸の中間がSIMV
そして機械換気には圧で送気するか、量で送気するかのモードがプラスされます。
- 空気の量で換気している方式 :ボリュームコントロール(VCV)
- 空気の圧力で換気している方式:プレッシャーコントロール(PCV)
自発呼吸(CPAP)に付帯するモードとしてはプレッシャーサポート(PS)があります。CPAPは吸気・呼気ともに一定の圧をかけるのに対して、PSは吸気努力に対してプラスの圧力をかけてサポートします。
人工呼吸器の基礎2:モード(A/C, SIMV, Spont)
ややこしくしているのが、呼吸器を作っている会社ごとにモードの名前が違うことです。
機種/メーカー | ベネット/Coviden | Hamilton/日本光電 | エビタ/Drager | サーボ/Maquet |
A/C(VC) | VC-A/C | CMV | IPPV assist | VC |
A/C(PC) | PC-A/C | P-CMV | BIPAP assist | PC |
SIMV(VC) | VC-SIMV | SIMV | SIMV | VC-SIMV |
SIMV(PC) | PC-SIMV | P-SIMV | BIPAP | PC-SIMV |
CPAP | SPONT | SPONT | CPAP/ASB | CPAP+PS |
上記に加えて、各社がそれぞれの呼吸器に特殊なモードを備えさせています。
- ASV :目標分時換気量を設定し呼吸器が最適な設定へ自動で変更するモード。
- APRV :自発呼吸を温存しながら高圧PEEPをかけるモード。
- HFO :高振動の空気の流れにより、換気するより洗い流すイメージ。
- Bilevel:自発呼吸を保ちつつ二相のPEEP圧を交互に切り替えるモード。
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